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少人数教育

「いじめ」「不登校」から、ついには「学級崩壊」という言葉まで登場した昨今の教育の現場。

私たちの大事な子供達をどのように守り育てるのか、今、教育界では、「明治」そして「戦後」に次ぐ「第三の改革」に迫られています。

これは、いままでの「量の教育」から「質の教育」への転換を意味します。

私も昨年の市長選挙で、「今の日本で理想の教育が行われているのは田舎の分校教育であるといわれている。それは、少人数の子供たちを見守るきめの細やかな指導のゆえだ。欧米先進国並の二五人学級の実現を。」と訴えました。

この実現に向けて五月に「二五人学級検討委員会」を設け、教育長を中心に延べ一三回の会議が開かれました。

このほどその報告がまとまり、それを基に検討した結果、来年度から浦安市独自の新しい事業として、少人数教育を推進する取り組みを行うことにしました。

これは、新たに先生を増やして、指導方法や授業を工夫して、子どもたちを「きめ細かく守り育てていこう」とするものです。

現在の国の法律では一学級を四〇人と定められているために学級編成を二五人にすることはできませんが、小・中学校の授業で、学習集団を二五人程度に編制できるようにし、実質的な「少人数教育」を目指すものです。

具体的には、先生の資格を持つ「少人数教育推進教員(略称:推進教員)」を市独自で採用して、市内のすべての小・中学校に複数名配置します。

さらに、集団生活に慣れない小学校一年生や、個人差の大きくなる三・四年生や、中学二年生への配慮、また、いわゆる一・二名の増減によってクラス編制が変わる「ボーダー学年」や児童生徒数の多い学校については特に配慮が必要であるとも考えています。

「推進教員」は、配置先の学校長の指導の下で、先生方と協力をして学習指導や、生活指導の補助を行います。

例えば、「ティーム・ティーチング」といって一クラスを二人の先生で指導したり、少ない人数の方が学習しやすい教科ではクラスや学年をいくつかのグループに分けて指導したりして、きめの細かな指導を図るというものです。

全国に先駆けての取り組みですが、教育は市だけの施策ではとても手に負えるものではなく、今後、千葉県あるいは国が少人数学級へ向けて一歩大きく踏み出す一石となることを期待します。

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやすNo.655 1999年11月1日号に掲載)

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