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人と動物の共存

人間と最も古いつきあいの動物は「犬」ではないでしょうか。

「犬」という漢字は、人が大の字に寝ている首元に寄り添って寝ている形を表している、という内容のエッセーを以前読んだことがあります。人と犬との密接な関係を五千年といわれる漢字の歴史からもわかると犬好きな私も新たな感動を覚えたものです。

浦安市内で犬や猫などのペットがどれほど飼われているのか実数はわかりませんが、朝夕犬の散歩をしている多くの市民を見かけます。中には犬を通じてコミュニティの輪が広がるなどのさまざまな現象も起きています。

私から見ても、浦安市内のペットたちは大事に飼われているように思われます。

「アニマルセラピー」という言葉がありますが、ペットなどの動物が私たち人間に与える安らぎや癒しの効果に着目して、夫婦や家族などの人間関係の潤滑油として再認識しようという動きも顕著になってきました。

積極的に人と犬との共生をはかろうとする動きがある一方で、飼い主の一方的な理由で捨てられる「不要犬」といわれる不幸な犬たちがいるのも現実です。

千葉県動物愛護センターという施設がありますが、動物愛護の啓発を行う一方で、不要犬の処分が行われています。

県内では、年間(平成一一年度の統計)一四、一〇五頭の何の罪もない犬たちが殺処分され、ちなみに猫は一〇、九五八頭で、なんと合計二五、〇六三頭の犬と猫が処分されており、心が痛む思いです。

しかし、浦安市では、昨年不幸な動物を少しでも救おうと市民の有志が動き出しました。

今まで個人的に行われてきた犬や猫の保護や里親探しから、組織的に行動して一匹でも多く不幸な犬や猫を救おうと、昨年の五月に「動物を守る会」が発足されました。

その結果、不要犬・猫や迷い犬で保護した犬・猫は五二頭にもなり、そのうち新たな飼い主として里親を見つけたのが二七頭、飼い主の元に返ったのが八頭と、多くの命がボランティアの皆さんの手で殺処分を免れ、救われています。

数人の有志から始まった「動物を守る会」も、今では四〇名近い市民ボランティアに支えられ、毎日、朝夕交代で引き取り手が見つかるまでの間、世話をしていただいています。

犬や猫好きな人がいる反面、動物嫌いの人や鳴き声やにおい等でペットに眉をひそめる人がいるのもまた現実です。動物好きな人も嫌いな人に対する十分な配慮と気配りが必要です。

その上で、一定のルールに従った人と動物が共存できる社会を目指したいものです。

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやすNo.687 2001年3月1日号に掲載)

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