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九月一日は「防災の日」。今年は関東大震災から七十八年目に当たります。

ついこの前と思われた平成七年の阪神淡路大震災から早いもので六年八カ月が経ちました。一部では防災意識の風化が心配されていますが、大震災の翌日の一月十八日に被災地の惨状をこの目で見てきた私にとっては、決して忘れることの出来ないものとなっています。

あの日、時間が経つにつれて被害が広がるばかりのテレビ画面に息を飲み、釘付けになりました。

今まで一度も大きな災害に遭遇した経験がなかった私は、「何をさておいても被災直後の現地を見なければ」との思いから、その夜最終の新幹線に飛び乗りました。

京都で一泊して、翌十八日さまざまな交通機関を乗り継いで大阪市此花区の淀川河口の亀裂や損壊の甚だしい護岸や、破壊され尽くした西宮市と丸一日激烈としか言いようのない被災地の惨状を見て回りました。

その後、(社)土木学会主催の緊急報告会に参加させていただきましたが、その折りに土木学会会長が「私の四○年にわたる研究は何だったのか?」と自然の凄まじさを語っていたのが今でも強烈な印象に残っています。

地名の由来にも「浦(海辺)、安かれ」と願いが込められた本市は、とりわけ防災の意識が強く、本市ならではの防災対策も際だっています。

転入手続きの際の「防災袋」の無償配布や、各戸への「消火器」の無償貸与、また元町地区を中心とした十一月十五日から翌年の四月十五日まで「夜間路上禁煙運動」など、先人たちの苦労と努力が忍ばれます。

また、市内四十七カ所に分散備蓄されている「防災備蓄品」の中の食料備蓄量は、千葉県内八十市町村の中でも断然トップの約三十八万食分(サバイバルフーズ)で、二位の八万食分の備蓄を大きく引き離しています。

今年の夏とりわけ猛暑で心配した「水」の確保については、一時間あたり二千五百リットルの飲料水を確保できる「浄水機」が四〇台配備されていますし、県の水道局では本市と行徳地区の安定給水と、非常時における「水」の確保のため、市川市の妙典地区に「妙典給水場」を二年前に完成させています。

市では、九月三日に直下型地震の災害発生を想定して市の職員の「非常参集訓練」と「防災資機材の操作訓練」を行い、速やかな初動体制の確立と、災害発生時の移動炊飯器の操作・仮設トイレの設置・発電機の操作等の訓練を行って、非常時に備える予定です。

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやすNo.699 2001年9月1日号に掲載)

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