天体ショー 5月21日の月曜日、期待を込めて朝を迎えましたが、生憎の曇り空を恨めしく見上げたのは私だけではなかったと思います。 今回のような範囲で見られるのは932年振りとのことではなおさらです。 当日6時前に目を覚ました時には、雲が厚く垂れ込めていてほぼ絶望的でしたが、時間がたつにつれて雲の隙間から時折太陽が顔を出し始め、用意した観測用グラスでしっかり見ることができました。 日食が最大になる午前7時34分には、何とうっすらとかかった雲を通して、観測用グラスを介さずとも見事なリング状の太陽を見ることができ、小学生以来の金環日食を満喫しました。 今年に入って天体ショーを堪能したのは2度目で、こどもの日の夜、妻の携帯に友人から「今、月を見ている?」と電話がかかりました。 何のことか分からずに、窓を開けて私も一緒に空を見上げたところ、思わず見たことのないきれいな満月に息を呑みました。 翌日の新聞で、満月が通常よりも大きく、かつ明るく見える「スーパームーン」と呼ばれる現象であることを知り、今年は5月の5日と6日に、世界各地で観測されたそうです。 アメリカ航空宇宙局などによると、月が地球に最も接近するタイミングで満月になると、最も遠い時に比べて、14%大きく見え、明るさも30%増すとのことです。 5月に入り、2度も天体の神秘に触れ、空をじっくりと見上げることになりましたが、昨年の大震災以来、実に久しぶりのように思いました。 今年は、天文関係の雑誌によると、100年ぶりの天文現象のラッシュの年だそうです。 6月4日(月)には今年一度だけの部分月食が、日本中で観測できます。 さらに6月6日(水)の午前中には、金星が太陽の前を通過する“太陽面通過(日面通過)”という天文ショーが、見られるとのことです。 この1年2カ月を振り返ると、震災前は、羽田空港のD滑走路の供用開始で、必要以上に空に関心がいっていましたが、今では一転して被災した道路や大地にばかり目を向けている自分に苦笑しています。 目白押しの天文ショーが終わると、いよいよ6月15日(金)の宵宮から、17日(日)の宮入まで、元町を中心に4年に一度の浦安三社祭の熱気に包まれます。 本来は、豊年や大漁を祈念し、感謝するのが日本の祭りですが、復興元年の今年の三社祭に、改めて浦安市の復興と平安を心から祈りたいと思います。
浦安市長 松崎秀樹 |