ヤギの除草係 美浜二丁目の若潮公園で、5月20日からヤギによる除草作業が始まりました。 この「ヤギの除草係」は、元を正せば平成20年8月に公募市民とともにスウェーデンとオランダを視察したときに端を発します。 堀江の清龍神社の境内にある「水準標石」が、明治5年に政府の要請で来日したオランダ人の土木技師、I・A・リンド氏の手によって設置されましたが、これは海抜や標高を測る際の日本で初めての基準となる標石で、「土木遺産」にも認定され、平成21年10月1日には、境川の西の水門の脇に、リンド氏のひ孫にもお越し頂いて、オランダの大臣とともに、記念碑の除幕式を行いました。そのご縁で、オランダのアムステルダム市を訪問したものです。 児童福祉施設を訪れた後、オランダ名物の風車を視察した際に、案内のアムステルダム市の職員が「私たちよりも、よく働く市の職員があそこで働いています」と、指を指したのが、黙々と草を食む数頭の羊でした。 みんなで大笑いをしましたが、同時に微笑ましく感じるとともに、いつかは浦安でもと思っていたところ、東日本大震災を迎えてしまいました。 平成26年度を震災からの復旧・復興の正念場とするとともに、反転攻勢の年にと考える中で、思い出したのが「羊の除草係」でした。 幸い、市の若潮公園で、ポニーや小動物を飼育している経験もあることから、動物舎の管理をお願いしている川原鳥獣貿易の川原社長に相談したところ、日本では羊よりもヤギがいいであろうとのアドバイスをもらいました。さらにヤギは群れる習性があることから4〜5頭が良いことや、雨に弱いので雨が降ったときのための組み立て式の避難小屋を用意したらとか、最初は若潮公園の動物舎のヤギをお貸しするので試験的に始めてみましょうなど、細かな助言や提言を頂きました。 4月26・27日の植木祭のイベント広場の脇で、ヤギ2頭のお披露目をしました。植木祭は天気にも恵まれ2日間で4万2千人の人手で賑わい、こどもたちや親子連れにもヤギは大変な評判でした。 植木祭での好評に気を良くして、障がい者就労支援センターの協力も得て、いよいよ5月20日にデビューしました。 その4日後の24日の日本経済新聞の千葉版に「除草、ヤギは救世主?」との見出しで大きく取り上げられ、話題性の大きさに驚かされました。 私も、27日の火曜日、前日の雨で心配しましたが、若潮公園を訪れたところ、中央の小山の麓で障がい者7名と高齢者の方2名とヤギ5頭が黙々と除草作業に励んでいました。 隣接の交通公園や、若潮公園の屋内施設が乳幼児や小さなこども達の施設でもあることから、環境に優しく、愛らしいヤギ達の除草作業が浦安の語り種になればと思っています。 田島園長に話を聞くと、一頭のヤギで概ね1週間に約100平方メートルの草を食べるとのことで、しばらくは若潮公園の草地(約5千平方メートル)の雑草の除草活動で、様子を見届け、本格的に交通公園外での除草作業を検討していく予定です。 当分の間は火・木・金の週3日で、午前9時30分から11時30分まで2時間ずつ作業を行い、ヤギを見守る障がい者の皆さんが最後に糞を収集して作業を終えるとのことです。 話の種にぜひ一度、見に行ってみてください。
浦安市長 松崎秀樹 |