衣替えと復興に向けて 初夏の6月に入りました。衣替えの時季でもあります。 3月11日の震災以来、市の職員は防災服で頑張ってきましたが、夏に向けて見た目にも涼しいポロシャツを着ての執務も認めました。 胸には当初、「がんばろう、うらやす」の案もありましたが、これから復興に向けての長期戦にもっと明るくと『「絆」 未来に向かって Never give up Urayasu!』とし、売り上げの一部を復興チャリティーへの願いを込めて職員の多くが購入しました。 5月2日、市ではそれまでの災害対策本部を、本復旧と被災者の生活再建に向けて災害復興本部と名称も変えました。 これから季節的に梅雨、猛暑、台風と、余震とともに気の許せぬ状況が続きますが、国も今回の浦安市を中心とした世界でも最大級の規模の液状化に正面から立ち向かっています。 国土交通省と土木・地盤工学・建築の3学会で、液状化のメカニズムを調査研究する特別委員会を立ち上げ、より効果的な液状化対策を探り始めました。 与野党を問わず国会議員による浦安市の視察が続く中、国が液状化に注目し始めたのを好機と捉え、県内外の液状化現象で被害を受けた首長たちとも連携を強め、国土交通省など関係省庁に陳情を繰り返してきました。 その結果、5月2日に災害救助法の罹災証明の被害認定基準が、東日本大震災の特例ではありますが、私たちの要望どおりに見直され、陳情していた私たちは予想以上に早く国が動いたことに驚きを隠せませんでした。 この被害認定の基準は、120cmの高さからおもりをつけた糸(下げ振り)を垂らして、以前は2cm以上6cm未満が「一部損壊」、6cm以上が「全壊」の2区分でしたが、見直しにより1.2cm以上2cm未満で「半壊」、2cm以上6cm未満で「大規模半壊」、6cm以上で「全壊」となりました。 国の基準では「大規模半壊」から支援金が支給されますが、見直し前は0軒であったのが見直し後では1387軒と大幅に救済されることになりました。 国の基準が大幅に見直されはしたものの「半壊」以下には、被災者生活再建支援法に基づく支援金が給付されませんが、千葉県が「半壊」の住家には地盤復旧と補修費に対して、「一部損壊」の住家には地盤復旧などに対して支援する方針を打ち出したところです。 市としても、6月の定例市議会に市独自の支援策を打ち出すべく、支援金だけでなく生活再建に向けての制度も合わせて、詳細を詰めているところです。 ある俳人が詠んだ 「更衣かくて古りゆく月日かな」 という句がありましたが、私たちの復興が季節の移ろいの中で、思い出の一ページとして語られる日が必ずやくるでしょう。当時を振り返ったときに浦安の歴史の転換期に絶えず誤りなく選択をしてきた先人先輩たちに負けないよう現実とともに、未来を見据えた目も常に持ちながら、この試練をいっしょに乗り切っていきましょう。
浦安市長 松崎秀樹 |