津波の想定と防災協定 桜花爛漫を文字通り満喫した今年の桜でしたが、市内至る所で競い合うように咲き誇った満開の桜を眺めながら、浦安はこんなにも桜が似合うのかと改めて感じ入りました。 それとともに、昨年の桜はと振り返ったとき、いくら思い出そうとしても思い出せませんでした。よく考えてみると、あの震災で桜に思いが全く至らなかったのだと今更ながら、この1年間に思いを巡らせました。 新年度が始まる直前の3月30日に、文部科学省のプロジェクトチームの首都直下地震の被害想定が、翌31日には内閣府の有識者会議の南海トラフ巨大地震についての津波高の想定が相次いで公表されました。 さらに、東日本大震災千葉県調査検討専門委員会が4月25日に津波および液状化に関する調査結果を公表しました。 これで新たな地域防災計画の見直しに関する基礎資料は、国の防災基本計画の修正を待つばかりとなりました。 多くの市民の皆様が心配されている津波については、切迫性が高いと予想されている首都直下地震では、東京湾内で津波が発生しても最大50cm未満とのことです。 東海・東南海・南海地震の3連動が予想される南海トラフ巨大地震の想定では、東日本大震災を踏まえてそれまでのM8.8からM9.1に修正した結果、浦安市の護岸に達する津波の高さは最大2.4mと発表されました。 さらに千葉県調査検討専門委員会は、東京湾の入り口・湾口に外部から押し寄せる津波の高さを10mと想定して、津波浸水予想図を作成しましたが、この予想図によると、浦安市には最大2.5mの津波が到達すると推定されています。 いずれにしても、想定される津波の高さは、本市の護岸の高さを下回っています。 これから復興事業を前にして復興交付金の獲得に向けた国との交渉が正念場を迎えていますが、国や専門家による想定と、東日本大震災の教訓をもとに、より精度の高い浦安市地域防災計画を早急に策定して、市民の皆様にお示ししたいと思っています。 さらに今回の被災で、本市は多くの自治体の支援を頂きましたが、次なる備えとして広域の相互応援を視野に入れた防災協定をと考えていたところ、本市の廃棄物の焼却残渣を受け入れてくれている茨城県下妻市の市長からぜひ今後さまざまな交流も含めて協定を結びましょうとの申し入れがあり、4月18日に本市で、20日に下妻市で協定調印のセレモニーを行いました。 下妻市の行き帰りの車から、常磐自動車道の流山インターチェンジ近くの江戸川の土手が数キロにわたり満開の菜の花で埋まり、黄色の絨毯が敷き詰められているかのように、目にもまぶしく染め尽くされていました。 改めて、今年の桜に思いを寄せながら花に感動できる平穏な日々のありがたさを感じました。
浦安市長 松崎秀樹 |