凄まじい時代に生きる 9月22日の秋分の日、やっと厳しい暑さから解放され、ほっとしたのは私だけではないでしょう。 9月も半ばを過ぎても連日の真夏日と熱帯夜で、もしかしたらこのまま秋が来ないのではと真剣に心配したくらい、今年の夏は暑さに苦しみました。 インターネットで調べたところ浦安市に最も近い気象庁の観測地点の江戸川区臨海町で7~9月に、30度から34度までの“真夏日”がなんと50日間、船橋市の観測地点では60日と、数字の上でも異常な暑さがわかります。 地球温暖化による異常気象が叫ばれて久しくなりますが、秋分の日のテレビのニュースで北極海の氷が1979年からの世界気象機関による観測以来、最小になったと報じていました。これまでの最小は平成19年(2007)9月ですが、当時の海氷面積425万㎢から20%減少し341万㎢になったとのことです。 北極海の海氷は、北半球のエアコンの役割があるとも言われてきましたが、5年間で日本の総面積の約2.2倍の海氷が解けてなくなったことになります。 この解けた84万㎢の海氷は海水になるとともに、水蒸気として上空を覆い近年の集中豪雨や、今年特に多い超大型台風など異常気象を起こす大きな要因になっているとのことです。 猛暑と異常気象が地球温暖化によるものであるとアメリカの上院議会エネルギー委員会で「地球温暖化問題の火付け役」と言われるアメリカ航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ハンセン教授が訴えたのが昭和63年(1988)9月。それから24年経ちましたが、平成17年(2005)に発効した京都議定書も大国間のエゴでほとんど実効なく今に至っています。 ハンセン教授は南極大陸の氷についても言及していますが、いずれにしても地球的な規模の危機であることは現実が証明しています。 そんな中で浦安市は今、昨年の被災によるダメージから一日も早く立ち直ろうとさまざまな試みを行おうとしていますが、その一つが“環境共生都市”への挑戦です。 液状化の被災によりイメージダウンした本市の住宅市場のイメージ回復に向けて、今後分譲を計画しているハウスメーカー5社を含めた12の企業と産・官・学の共同企業体を立ち上げ、環境に視点を置いて議論をしているところです。 地球温暖化・猛暑・異常気象に加えて、未曽有の大震災・原発とエネルギー問題・想定される富士山の噴火などの更なる災害等々、思いつくだけでも今私たちが生きている時代は、かつて経験したことがない凄まじい時代であることは明白です。 まさに千年に一度の今を生きていることを不運と嘆くのではなく、我々に与えられた使命として、今ある環境をいかに変えられるか、変えていけるかに全神経を集中し挑戦していきましょう。
浦安市長 松崎秀樹 |