浦安市の財政力 早いものであの大震災から2回目の3月がやってきました。 この2年間、私が何よりも恐れたのは、震災前には他の市町村長たちから「うらやま市」とまで言われた浦安市が、震災のダメージから立ち直れないことでした。 それは、阪神淡路大震災で、被災した兵庫県のある自治体が、復旧のための地方債の大幅な増発や人口の大幅な減少などで、震災発生から18年経った今でも、かつての元気を失っていることを知っていたからです。 平成25年度の予算案を審議する3月市議会が始まりましたが、新年度の予算編成をする中で、私は浦安市の底力をしみじみと感じました。 このとき、何よりも心配したのは、市民サービスなどの市政運営の最も基本となる市税収入の落ち込みです。 平成25年度の市税収入の見込みは、東日本大震災前に予算編成をした平成23年度の約397億6千万円には及びませんでしたが、24年度に比べ3.2%増で、総額は約389億6千万円になるとともに、自主財源比率も74.8%から78.4%に回復し、ほっとしたところです。 東日本大震災は、新年度が始まる20日前の3月11日に発生しましたが、あの時は、ちょうど新年度の予算審議の真っ最中でした。 当時、迎える新年度の23年度は、本市が町から市へと市制を施行してから、ちょうど30周年の節目の年度でした。 それが一転して、62年ぶりの激甚災害に見舞われるとは、それこそ想定外で、お祝いムードが霧散してしまいました。 この2年間、市民の皆様にも痛みを分かち合っていただきながら、最悪を想定しさまざまな手を打ってきましたが、昨年の5月に復興交付金の額が確定して、復旧・復興事業費の総額が約550億円と定まり、国からの支援の額も総事業費の約70%を占めるなど、ようやく復旧・復興のめどが立ったところです。 さらに、全国の市町村の格差を平準化するために、国が配分する普通地方交付税をもらわないでやっていける、いわゆる自立した自治体(不交付団体)として、25年度で30年目になるとともに、あれだけの被災を受けながらも、ここ当分は交付団体に転落しないと予想され、改めて浦安市の強い財政力が証明されました。 加えて、預貯金に相当する財政調整基金も震災前には約112億円だったのが、この3月末で約149億円と、結果として37億円も大幅に増額できたことも特筆に値すると思っています。 また、震災翌年度の平成23年度決算のデータが集計される中で、浦安市の財政力指数が全国787市の中のトップになり、震災前の財政力の強さを回復したことは本市の市民力の強さの現れと思っています。 いま、改めてさまざまなデータをみても、被災地浦安からの一日も早い脱却と、「浦安ブランドの再生と創生」をスローガンとする反転攻勢が、より確かな自信と決意へと高まっています。
浦安市長 松崎秀樹 |