宇宙への誘い 44年前の世界中を興奮の坩堝に陥れたアポロ11号の人類初の月面着陸。さらに日本中を熱狂させた3年前の小惑星探査機「はやぶさ」の60億kmの旅を終えての帰還など、人類の宇宙への挑戦は、夢と共に興奮を呼び覚まさせずにはいられません。 私が小学生や中学生の時、渋谷の東急百貨店の屋上にあったプラネタリウムに年数回友人たちと行き、宇宙の神秘と雄大さを堪能するのが楽しみのひとつでもありました。 そんな私が、10月8日江東区豊洲のIHIビルの「スペース・ボール」という全天球型のプラネタリウムの視察の誘いを受け、何のイメージもわかないまま訪れました。 ビルの中に、直径約9mの球形の仮設施設があり、ご招待をいただいた元浦安市民でTV東京のプロデューサーの重定菜子さんの熱い解説の後、黒田教育長たちと共に、13分間の驚異の宇宙の旅を体感しました。 定員30名と少人数の施設でしたが、全4章からなる構成で、第1章は鹿児島の種子島から打ち上げられるロケットに乗り臨場感に包まれながら大気圏を突破して、眼下に地球を望むという宇宙飛行士の体感を味わいました。 続く第2章では、1977年に打ち上げられて、現在太陽から153億kmの彼方にある惑星探査機「ボイジャー2号」の目線で、木星や土星に近づきながら太陽系を旅します。 第3章では、いよいよ太陽系を離れて恒星(星座をつくっている星や太陽など自ら光や熱を放射している星)の世界に入り、私たちの太陽系が属する2千億から4千億の恒星と星間ガスからなる「天の川銀河」に突入した後、現在の科学が解明した137億光年を旅しました。 最終章では、人類が解明した宇宙のその先、まさに「外宇宙」と呼ばれる未知の空間を旅しました。 この全天球型プラネタリウムを開発したのは、現在43歳の大平貴之さんで、小学生の時から一人でプラネタリウムを作り続け、9年前には投影星数560万個のプラネタリウムを作り、ギネス・ワールド・レコーズに認定され、さらに5年前には2200万個にも達するなど、世界中の天文学者もお墨付きの世界トップレベルのプラネタリウム・クリエーターとして大活躍をしている方です。平成23年にはエストニアのタルトゥに世界で初めての360度の全天球型のプラネタリウムを作り、常に話題を振りまいています。 わずか13分の宇宙の旅でしたが、興奮未だ覚めやらずというのが、3週間以上経った今の率直な感想で、この紙面ではとてもその感動を伝えきれないもどかしさを感じます。 当日大平さんとも話をしましたが、何よりも悩み多き時代を生き抜くこどもたちに、大宇宙から地球を、日本を、また自分を見つめるいいきっかけにもなり得るのではと、さらに何か言葉には表し得ないものを感じてほしいと語り合いました。 11月17日まで観覧可能(有料)ですので、一人でも多くの市民の皆さんに見てもらい、感動を共有したいと思っています。
浦安市長 松崎秀樹 |