極点社会 今年の成人式は、昨年の大雪と違い寒さ厳しき中でしたが晴天に恵まれ、13回目となる東京ディズニーランド内のショーベースで行われました。 出席率も今年の新成人1,675名の約78%と相変わらずの人気でした。 今年の新成人は昨年より132名多いものの、人口が現在より4万6千人少なかった21年前の平成5年の2,179名をピークとして数年前まで減り続けてきました。 浦安市の人口も16万3千人となった今年も、回復にはほど遠くピーク時より504名も少なく、私たち浦安市にも確実に少子化の波が押し寄せています。 少子化と高齢化がよくセットで語られますが、高齢化はある意味では、長寿を願う人類の夢でもあるわけで、厄介な問題は「少子化」です。 私も少子化対策と世代交代を重要課題と認識してきました。 世代交代については、東日本大震災が契機となって、一部損壊でも修復ではなく建て替えると、国の災害支援金に市からの独自支援金も加わると400万円になることから、思い切って2世帯住宅にするお宅が増えてきました。 浦安市の少子化の現実は、小学校の児童数に端的に現れていて、来年の3月で入船北小学校と入船南小学校を統廃合するところまで来ています。 入船北小学校は、一学年200人以上もいたときは、プレハブ校舎を増設して対応していましたが、現在全ての学年が一クラスで、1年生と6年生は20名しかいません。また、この小学校区では、現在、未就学児も2歳児が22名、4歳児が21名しかいません。未就学児の場合は私立や他学区に移ることを考慮すると一学年10名を切る可能性が高く、クラス替えができないなど弊害が多いとされていることから、こどもたちの豊かな人間関係づくりを目指し熟慮の結果、統廃合することになりました。 少子化が語られるとき地方や中山間地域がよく引き合いに出されますが、今日本中を襲っている「超少子化」問題は、国も市町村も、何とかしなければならない喫緊の最大テーマです。 昨年の暮れあたりから、厚生労働省の幹部や、月刊誌の中央公論でも「極点社会」という言葉が使われるようになりました。 これはまさに国も地域社会も行き着く“成れの果ての社会”を指しており、そこでは地方の消滅、あるいは止まる所を知らない日本の国力の衰退が語られています。 今、市では3月議会に上程する次年度の予算編成が大詰めを迎えていますが、昨年末から厚生労働省や内閣府などの幹部職員から、少子化対策に国も支援するので、浦安市としても特段の協力をとの要請を受けました。 新年早々から、子育て中のお母さんたちや、子育ての現場を支える幼稚園・保育園の園長たち、子育てを支えるNPOの人たちと、こどもをつくる障害は何か、どうしたらもう一人こどもを産む環境になり得るのか、話し合いを連日繰り返しているところです。 これから10年先を視野に入れた「少子化対策基金」の創設と、今できることは何でもする意気込みで、全国の市町村のモデルを浦安市から発信しようと思っています。
浦安市長 松崎秀樹 |