大雪の危機管理 2月8日の土曜日、首都圏は45年ぶりの大雪で、浦安市も白銀一色の世界に変わり、幹線道路の轍さえも真っ白になるほどでした。 この日、ほとんどの予定はキャンセルになりましたが、夜の浦安市少年野球連盟の新年会が行徳バイパス沿いの功徳林で開かれました。 予定の午後6時には、雪のため多くの人が間に合わず、大幅に遅れて始まりましたが、審判部の伊藤氏が高洲から歩いて到着したのが、ちょうど午後8時でした。 伊藤氏の「バスもタクシーも全く動いていない」との話を聞き、同席していた中村副市長と早めに閉会するよう野崎会長に働きかけようと相談していたちょうどその時に、秋葉市議会議員から「今、東西線浦安駅が大混乱しているので、なんとかならないか」という電話がはいりました。 即、会長には閉会を早めた方がいいとアドバイスし、副市長に中央公民館を避難所として開放する手配を依頼し、私は駅に向かいました。 駅の近くには2時間近く寒さの中でバスを待つ長蛇の列と、改札口は300人以上の行き場のない人達で溢れかえっていました。 駅員は「まもなく復旧の見込み」を繰り返していましたが、吹雪き始め視界が悪くなる状況下で、私には希望的な観測としか思えませんでした。 見ていられなくなり、駅員にハンドマイクを貸してもらい、「浦安市として中央公民館に避難所を開設するので見通しがつくまで待機してください。運転が再開すれば避難所に連絡しますから」と、さらに躊躇している人たちに「ここで寒さに震えているより、暖かいところでお休みください」とアナウンスしました。 中央公民館1階の体育館は、昨年冷暖房を整備したばかりでしたが、ほとんどが市外の方であったため、公民館の場所が分からず困っていたところ、駅員が誘導を買って出てくれ、さらに応援部隊が着くまでの間、帰宅途中の市職員が誘導に加わりました。 2時間近く経過したとき、「中央公民館を全館開放し、650人近く収容しているが、もう満杯」との連絡が入りました。 そんな矢先の午後10時30分頃、運転再開の目処が立ちそうだとの知らせが入りました。 運転が再開されたのは一部で、最終的に180人ほどの方が中央公民館で一泊しましたが、翌朝9時までには、全員が職員に感謝の言葉を伝えながら帰宅の途につき、大事には至らずに済みました。 今、振り返って残念に思うのは、JR京葉線側から「東西線は動いている」と知らされ、吹雪の中を歩いてくたくたになってたどり着いた方や、東西線の駅のアナウンスもバスも動いていない中で「他の交通機関を利用してください」と誘導し、混乱に拍車をかけたことです。 これらの混乱は、普段からきめ細かい情報交換をしておけば避けられたはずですし、市外の方でも浦安市にいる間の安全確保は、やはり危機管理を担う市役所の重要な役割と、今回現場に身を置いて痛切に感じました。 今まで雪については、凍結予防や除雪の範囲で対策を考えていましたが、あの震災以来“想定外”をなくすための最大限の努力をしてきたつもりでも、まさに足下を掬われた感じがしました。 今回のことを十分検証し、さらに精度の高い危機管理に努めていかなければとしみじみ感じました。
浦安市長 松崎秀樹 |