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第三の波

「第三の波」。これは、アメリカの未来学者アルビン・トフラーが二〇年前に、現在の高度情報化社会を、農業革命・産業革命に次ぐ「情報革命」として捉え、「第三の波」と名付けたものです。

出版当初はさほど感じなかったのですが、一〇年ほど前に改めて読み直した時、その鋭い時代認識に、衝撃とも言えるショックを受けたのを今でも鮮明に覚えています。

約三千年かかって成し遂げた「第一の波」の農業革命、次の「第二の波」の産業革命には約三百年、そして今、過激とも言える早さで進行している「第三の波」の情報革命は数十年で完成してしまうというものです。

そして、現在は、「第二の波」と「第三の波」の波頭と波頭がぶつかり合っている文明の過渡期で、そのために混乱・苦悩している時だ、とも言っています。

産業革命の結果、私たちは大量生産・大量消費の中で「画一性」や「均一性」を重視してきましたが、「第三の波」の情報社会の中では逆に「非画一性」や、「個性」が大きな価値を持ってきます。

まさに子供達の教育環境を考えたとき、本市が「少人数教育」に踏み出そうというのも、時代の流れから見れば当然とも言えるのではないでしょうか。

このような視点で「行政」を考えたとき、子供達の教育はもとより、高齢者や障害者福祉、また少子化対策、子育て支援や、環境問題など、きめの細かさが要求されている施策の何と多いことか。

今年は二〇世紀最後の年です。今世紀を総括すると「戦乱と動乱」の世紀といえます。言い方を変えると男性の「力のおごり」の世紀であったとも言えるのではないか。

この反省の上に立つと、二十一世紀は、女性・母性が大きな使命・役割を果たすのではないかと思います。

「男女共同参画社会」と難しい言葉を使わなくても、家庭も社会も男女で成り立っていますし、我が身を振り返っても最大の理解者が妻であるというところに行き着きます。

先日、(仮称)郷土博物館のロビーに掲げるレリーフの取り付けがありました。彫刻家の富永直樹先生が「浦安は昔から働き者の女性でもっている。」と言われ、レリーフの主要部分に働く女性像が描かれていました。

今年の市役所の仕事始めで、「女性職員の活躍を大いに期待する。」と言いましたが、「第三の波」の時代、そして二十一世紀は、女性に大いに期待したいと思います。

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやすNo.663 2000年3月1日号に掲載)

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