残り1年 今年も早いもので3月・弥生となりました。 旧暦で1月は“睦月”、親類知人が互いに往来し、仲睦まじくする月とか、2月の“如月”は「着更着」とも書き、寒さで着物をさらに重ねて着ることから付けられたそうです。 春の声が聞こえてきそうな3月の“弥生”は、“弥”は「いよいよ」、“生”は「生い茂る」からも分かるように、草木が芽吹くことを意味し、待ちに待った春にふさわしい何とも優雅な呼び名です。 震災から5周年の春を迎えましたが、〝市街地液状化対策事業〟も残すところ1年となりました。 住民の皆様の努力と〝復興・液状化対策プロジェクトチーム〟の頑張りの成果として、弁天二丁目の3街区45戸の同意が得たことから、昨年の12月議会で承認され、まもなく工事の着工となります。 このチームは、醍醐恵二リーダーを中心に、8人の若手職員で構成され、16地区4,103宅地に対して住民説明会を行ってきました。 それぞれの地区の地質調査・宅地現況調査、そして具体的な事業計画案の説明会と、11カ月の間に239回にも及びました。それ以前の地区勉強会などを加えると合計436回にもなります。 これまで、既存宅地の液状化対策は世界にも例がなく、住民の皆様からも、マンパワーを増強したらとの声も多く聞きましたが、「少数だからこそ精鋭にならざるを得ない」を合い言葉に、結成以来土曜・日曜を返上し、住民の皆様へ対応してきました。 同意に至るまでの住民の皆様は、自己負担を強いられながらも、将来の安心のため決断をされたことに対し、改めて心から敬意を表します。 この“市街地液状化対策事業”は、国の復興交付金を活用できる液状化対策に関する唯一の制度です。 次なる震災に備えて浦安の大地を液状化から守りうるいくつかの工法から、地盤工学や土木工学の日本のトップレベルの先生たちによる“市街地液状化対策実現可能性検討委員会”での、調査検討を踏まえ、個々の宅地に格子状の地中壁をつくる「格子状地盤改良工法」が浦安市に最も効果的であると市として結論を出しました。 千葉市などでは、最も安価で自己負担が抑えられる「地下水位低下工法」で行いますが、浦安市の地盤状況でこの工法で行った場合、地盤沈下の恐れが非常に大きいことから、推奨しないとの結論に至りました。 この結論を出すまで、委員会でコンピュータによるシミュレーションや、国土交通省の研究所で遠心載荷型実験を行ったほか、実際に市内で二つの工法の現場実証実験も行ってきました。 これら考えうるすべてのことを行った末の結論ですが、何といっても最大の課題は「自己負担」です。 当初は首を縦に振らなかった国との交渉の結果、宅地部分に掛かる費用の半額を、さらに市でも100万円を上限に独自助成を行うなど、実際に掛かる費用の3分の1以下にまで、抑え込んできています。 近く工事に着手するのは、最も早く説明会を開催し、工事への同意をいただいた45宅地ですが、これから他の地区についても、同意が得られた地区から議会に議案として提出するなど、必要な手続きを経て工事に着手していきます。 平成28年度中の工事完了を踏まえ、議会の日程を考えると、残された時間は半年と考えています。このような苦境の中でも最後まで悔いのないよう頑張るとの決意を新たにしているプロジェクトチームです。 浦安市長 松崎秀樹 |