フィンランド視察と新たな国際交流の芽生え 5月23日から29日まで、北欧フィンランドを視察してきました。 目的は、フィンランドの子育て支援、とりわけ同じ保健師が妊娠期から出産、さらに小学校入学まで子育て家庭に寄り添い、少子化対策の決め手としても効果を挙げている「ネウボラ」を中心とした子ども・子育て関連施設の視察です。 出発直前まで天候不順に振り回され、寒さや雨などの心配をしましたが、現地に着いてみると湿気もなく、穏やかな気候で、首都のヘルシンキ市および近隣市のいたるところでタンポポが咲き乱れ、結果的に最も恵まれた時期の視察となりました。 フィンランドは、9月ごろから半年近く暗い、どんよりとした冬の中で暮らすためか、アルコール依存症や薬物依存症、うつ病など深刻な社会問題がそのまま家庭や子どもたちに影響しているとのことですが、感銘を受けたのはこれらの諸問題に対応するシステムやノウハウが見事に蓄積され、実効を挙げていることです。 日本でいう児童養護施設や虐待家庭への更生施設も見てきましたが、児童虐待の起きた家庭を家族ごと更生させる施設「ファミリー・リハビリテーション・センター」では、ノウハウが詰まった8週間のカリキュラムを受けた家族の更生率が何と75パーセントと聞き、驚きと共に感心させられました。 案内をしていただいた施設長に、日本で普及させる場合の協力要請をしたところ快諾をいただくことができました。 限られた時間でしたが、フィンランドの現場を数多く見ることができ、今後、浦安市の子育て施策、少子化対策を考える上で大いに参考になり、多くの収穫を得て帰国しました。 今回の視察では、フィンランド大使を始め、大使館の皆さんにも意見やアドバイスをいただき、感謝しています。 帰国して10日後の6月9日、フィンランド大使館のマヌ・ヴィルタモ大使から昼食のお誘いがあり、お礼も兼ね、教育長・こども部長・こども課長と訪れました。 大使も私たちの視察の感想を聞きたかったようで、あっという間に2時間が過ぎ、和気藹々のうちに大使館を後にしました。 同じ日の夕方、舞浜のイクスピアリのステージで合唱の国といわれるブルガリアの誇るソフィア少年合唱団のコンサートが開催されました。 このコンサートは東日本大震災の折、ブルガリア大使館から舞浜三丁目自治会が飲料水の支援を受け、その縁で開催されたものです。 今回、ソフィア少年合唱団が来日され、30分という短い時間でしたが忙しいスケジュールの合間を縫って美しい歌声を響かせてくれました。 その6日後の6月15日の月曜日、ブルガリア大使館のゲオルギ・コンスタンティノフ・ヴァシレフ大使が市長室に来られ、1時間たっぷりと歓談させていただきました。 その折、今後これを機にブルガリアの都市との交流の提案もいただいたり、ブルガリア・ワインなどを通じた今後の関わりなど大いに盛り上がり帰っていかれました。 今回、たまたま1カ月の間にフィンランド、ブルガリアと2カ国の大使とじっくりと話す機会に恵まれました。5年後には、50年ぶりの東京オリンピックが開催されます。これを機に市民からも「市として何らかの関わり方を模索をしたら」との声もある中で、まもなく9000室になろうとしている本市のホテル群や市内のスポーツ施設、88人が泊まれるうら・らめ~る(青少年交流活動センター)の活用などにより、来日される選手団と市民の触れ合いを、私からも二人の大使に提案したところ大いに関心を示されました。 この1カ月という短い期間に、視察に始まり2カ国の大使との交流・懇親を通じて、新たな国際交流、親善の芽生えを感じたところです。
浦安市長 松崎秀樹 |