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深夜・早朝の訪問介護

今、高齢者と障がい者の訪問介護の世界で、動揺と不安が広がっています。

発端は、ご承知の「コムスンの介護報酬不正受給問題」です。

そもそも、平成12年から始まった「介護保険制度」は、それまで家族が担ってきた介護を、社会全体で看ていこうと「公的介護」を目指して始まったものです。

それは、高齢化の加速に伴い、家族、そのなかでも女性に集中する過度な介護の負担による精神的・肉体的疲労と、それに伴う自殺や心中、虐待などの社会問題に対処するための福祉の根幹にも関わる制度の改革でもありました。

この制度によって、それまでの介護サービスは税金で行政が決める「措置制度」から、保険で介護サービスの利用者が、自らの意思で民間も含めたサービス事業者を選ぶ「契約制度」へと大きく変わりました。

民間の参入で介護の世界に「市場の原理」、すなわち「競争の原理」が導入されたことになり、サービスの質の向上と、民間ならではの創意工夫などの効果も現れました。

しかし、お互いに競わせようと、福祉の世界ではおよそ馴染まない「厳しいノルマ」を課したことで、結果的に今回の不正にまで発展したのだと思います。

現在、この事業をどの企業が引き継ぐのかに大きな関心が移っていますが、その報道のなかで、採算の合わない「訪問介護」分野については、引き受け手が難色を示していることに、私は注目しています。

このことは、「訪問介護」が介護事業者のお荷物になっていること、さらに言えば、民間事業者の参入に当たって採算の合う仕組みが、依然として組み立てられていないことを示しています。

訪問介護のなかでも、切実な「深夜・早朝の訪問介護」は、介護から家族を解放する大きな目玉であるとともに、介護を受ける方にとっても生命線でもあります。

運営の主体が市区町村ということで、新しい「地方自治の時代」が始まったとも言われた「介護保険制度」ですが、事業者を指導・監督する権限は県主導であり、今後、国に介護の分野でのさらなる権限移譲も強く要求していこうと思っています。

市では、今回の問題が、訪問介護、特に「深夜・早朝の訪問介護」に、どのような影響を与えるか調査を急ぐとともに、制度上の不備に対しては、市としての行政出動も視野に入れて、浦安市単独の制度も至急検討してまいります。

今回の問題を単なる不正事件としてではなく、高齢者と障がい者の介護を、改めて考えるチャンスと捉え、浦安市から「介護難民」を出さないよう万全を期してまいります。

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやす第839号 2007年7月1日号に掲載)

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