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発達障がい

3年前の平成17年、自閉症やアスペルガー症候群などに代表される「発達障がい」のなかに、今まで認められていなかった「学習障がい(LD)」や、「注意欠陥・多動性障がい(AD・HD)」などを、新たに発達障がいと認定した画期的な「発達障害者支援法」が施行されました。

発達障がいについて、厚生労働省は、ニートと呼ばれる「学校にも行かず、働かない若者」たちの23%が発達障がいの疑いがあると発表しています。

また児童精神科の医師で、発達障がいの権威である杉山登志郎先生によると、「被虐待児」の約53%、さらに「不登校児」の約32%が、発達障がいの恐れがあるとしています。

文部科学省も、普通学級に通う児童の約6.3%が「学習面や行動面で、著しい困難な傾向がある」と発表しました。

このようなデータに加えて、私にとって最もショックだったのは、法務省は公表していませんが、事の重大さを認識しないままに、犯罪を重ねるいわゆる「累犯障がい者」が、かなりの割合でいるということです。

今、大きな社会問題とされている「ニート」「虐待」「不登校」さらに「累犯者」などと、「発達障がい」が大きな関係があることを知り、市としても真正面から取り組む必要性があると、昨年、こども部の新設に併せて「発達支援室」と、専門家の指導を受けた「こども発達センター」を設け、具体的な一歩を踏み出しました。

さらに今年度は、教育委員会では、就学指導委員会を廃止すると共に、専門家などを中心とする「まなびサポートチーム」を充実させていきたいと張り切っています。

今後は計画的に、市内のすべての小・中学校に「特別支援学級」と、「学習支援室」を設けて、少しでもきめ細かく一人ひとりの子どもたちの発達に対応していこうとしています。

杉山先生は著書のなかで、発達障がいの区分のなかに、障がい名として「こども虐待」と書かれているのに私は大変驚きました。

身体的、精神的な虐待、またネグレクトなどの育児放棄が、結果的に子どもたちの心をむしばみ、発達障がいを決定的なものにしているとのことです。

まだまだ未知のところが多すぎる分野ですが、杉山先生は、そもそも「発達障がい」という言葉が適切かといった投げかけもしていて、「障がい」という断定的な言葉ではなく、何かふさわしい言葉がないだろうかと言っているのが、印象に残っています。

 

私も、歴史的な偉人と呼ばれる、エジソンやアインシュタイン、日本では坂本龍馬などが、アスペルガー症候群ではなかったかと言われているのを聞くと、思わず相づちを打ちたくなります。

本人のためにも、家族と健全な社会のためにも、教育委員会とも連携を強くして事に当たっていきたいと思っています。

 

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやすNo.857 2008年4月1日号に掲載)

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