平成20年とサステナブル都市 今年の浦安市は、これ以上望むべくもない爽やかな初日の出と春を思わせる穏やかな雲一つない浦安弁の「すってんばれ」に恵まれて、新春のスタートを切りました。 迎えました平成20年の新しい年が、元旦のような穏やかな一年であることを心から祈っています。 さて、平成20年という年は、浦安市にとって大きな節目の年でもあります。 今から百二十年前の明治22年、当時の堀江村、猫実村、当代島村の三村が合併して、初代の新井甚左衞門村長が「浦(心)、安かれ」と、それまでの八百年を振り返り、「少しでも災害のないまちを」との祈りと願いを込めて、「浦安(村)」と命名して干支での二回り、百二十年という記念すべき年を迎えました。 さらに五十年前の昭和33年には、本州製紙江戸川工場からの廃液による公害問題が発生して、その年の6月10日には、浦安の漁師たちが国会陳情の帰りに工場に押しかけ、機動隊との乱闘事件にも発展し、多くの重軽傷者とともに逮捕者を出しました。これが日本の公害史に「本州製紙事件」と記録されるとともに、いわゆる「水質汚濁防止法」制定に至る日本の公害規制の原点にもなりました。本市にとっても、この事件を契機に漁業権の全面放棄、そして埋め立てへと、先輩たちの文字通り、血を流し涙を流した末の決断へと導いた、今日の浦安発展の転機となった年から早50年という年でもあります。 「浦安誕生百二十年」、「本州製紙事件から五十年」を契機に、今の浦安市の原点に立ち返りつつ、16万市民の運命共同体としての基礎自治体・浦安市が、市民にとって誰もが住みよい、さらに住みがいのあるまちを実感できるまちにするために、新年に当たり、決意を新たにしているところです。 さて、昨年の12月15日の日本経済新聞で、耳新しい「サステナブル都市」のランキング発表がありました。 聞き慣れない「サステナブル」というのは、「持続可能性」を意味して、財政力と環境保全を両立させつつ、快適な生活の持続性を3分野合わせて71項目にわたって調べたものです。EUなどの都市で近年関心を強めている指標と聞いています。 浦安市は、三鷹市・武蔵野市・戸田市に次いで全国4位の高い評価をいただきました。 さらに環境・財政・生活の3分野とも80点満点中50点以上とバランスがとれているのは、全国で29市にとどまり、浦安市はそのなかにも入り、さまざまなランキング評価のなかでも、私にとって最も嬉しいもので、大きな励みとなっています。 今年は、市民会議の提言を受けた第2期基本計画のスタートの年であります。新年早々環境問題が大きくクローズアップされていますが、今回の調査のように、財政・生活にも充分配慮しながら市政運営にあたってまいります。
浦安市長 松崎秀樹 |