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兼続と鷹山

いよいよ今年も残すところ1カ月となりました。

NHKの大河ドラマ「天地人」もついに最終回を迎え、一層、年の瀬を実感しています。

最終回で、直江兼続は60歳の波乱の生涯を終えましたが、亡くなる一年前に私財を投じて米沢の子弟のために、後に藩校「興譲館」となる「禅林文庫」をつくったことが取り上げられていました。

兼続は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康にも一目置かれ、戦乱の時代を駆け抜けた名将の誉れ高い武将でしたが、本人は戦よりも静かな学研生活を夢見ていたようです。

戦に勝ち城を落とすと、真っ先に書庫を確保し、貴重な書物や資料の散逸を防いだといわれています。

国内だけでなく、中国や朝鮮などの貴重な本の収集家でもあったようで、世界で唯一現存する中国の通史で宋の時代に著された「史記」や、正史の一つである「漢書」や「後漢書」なども、所蔵していたようです。現在では、いずれも国宝に指定されています。

兼続の教養の深さは、京の文化人も唸らせたともいわれています。

上杉景勝と直江兼続が、基礎を作ったといわれている上杉米沢藩からは、約150年後に二人の「義と愛」の理念を受け継いだ名君が誕生します。

江戸時代の名君中の名君と謳われた上杉治憲で、後の鷹山です。

治憲の正室は、先代藩主の娘で二つ下の幸姫で、重度の心身障がい者でしたが、30歳で亡くなるまでの13年間、江戸屋敷にいるときは毎日、雛飾りや玩具などで優しく遊んであげ、最後まで慈しみ続けたといわれています。

この優しさは、鷹山が藩主に就いたときの決意を示す誓詞のなかにも現れていて、春日社に奉納された誓詞のなかに、「民の父母たらん」とあります。

その誓詞のとおり、民のための殖産振興はもとより、江戸時代にあって、堕胎根絶のために育児資金をつくったり、藩内の90歳以上の高齢者に対しては、亡くなるまで米を配給するなど藩が面倒をみたという、今でいう年金制度など、まさに画期的な福祉の充実に努めたということです。

いま、兼続や鷹山に教えられ、さらにスウェーデンに学び、浦安市の為政者として、少しでも住みよいまちにと、決意を新たにしたところです。

ちなみに、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」の歌は、上杉鷹山の作と伝えられています。

 

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやす第897号 2009年12月1日号に掲載)

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