マラソンの中止と小さな天使 2月3日の日曜日、「第17回東京ベイ浦安シティマラソン」が、大会史上初めて大雪のため中止になりました。 改めて、大会会長として、中止に関しての不手際など、ご迷惑をお掛けした関係者の皆さま、とりわけボランティアとしてお手伝いを頂くことになっていました多くの市民の皆さま、並びに遠くから駆け付けた選手の皆さまには、心からお詫び申し上げたいと思います。 「東京ベイ浦安シティマラソン」は、回を重ねるに従い、マラソン愛好家を読者に持つ全国誌である「ランナーズ」のマラソン百選の上位を占めるようになり、年々参加者も増え、今年の申し込み者は、昨年よりも110人多い7181人になりました。 驚くことに北は北海道砂川市、南は沖縄県宜野湾市から申し込みがあり、最高齢者は男性79歳、女性73歳です。 当日は、「青梅マラソン」も同日開催ということもあり、青梅市の実行委員会とも連絡を取り合ったのですが、本来マラソンは多少の悪天候でも決行する競技であることの認識が、判断を遅らせた一因でもあり、大いに反省しています。 当日は、前日から宿泊していた遠方からの参加者や、中止を疑わずに集まった方、電話の問い合わせで「決行」との案内で来られた参加者などで、総合体育館のメインアリーナは、立すいの余地もないほど、埋め尽くされていました。 外は、吹雪が弱まる気配がない状況で館内がごった返すなか、2階席から、私と野崎実実行委員長が、マイクを使ってお詫びの挨拶を行いました。 その後、招待選手で日本を代表するマラソンランナーの千葉真子さんが、「私からも皆さんにご挨拶したい」と、申し出てくれ、私がマイクを渡したのですが、そのとき、「私にできることがあれば何でもします。サイン会でも」と言われました。 本人から後で伺ったところ、とっさに思いつかれたとのことですが、小柄な千葉さんが、マイクをつかみ、あの独特の高い声で「みなさーん、こんにちはー」と呼びかけ、続けて「アスリートは、気持ちの切り替えが大事です。中止になったことを悲しまずに、チャンスと思い、ハッピーに過ごしてください」と話しかけました。 この一言で、会場の雰囲気が一気に変わりました。 サイン会は、延々と列ができ、結果的に2時間、約800人近い方々の一人ひとりに話しかけ、2ショットの写真撮影のサービスまで笑顔で応じた小さな天使に対して、感動の渦が広がりました。
中止という最悪の場面で味わった爽やかな感動が、今でも私の心に残っています。
浦安市長 松崎秀樹 |