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市民病院の後継法人

長年にわたって、浦安市と市川市の医療を担ってきた浦安市川市民病院の民設民営化に伴う後継法人の候補者が、正式に決定し、懸案の再整備問題も、大きな山場を迎えました。

これから来年4月1日の経営権の移譲に向けて、細かな協議に入りますが、安定的に良質な医療を継続的に提供させられるかどうか、まさに正念場を迎えました。

医師不足が全国的に大きな問題になっています。後継法人の選定に当たっては、何よりも医師が継続的に安定して確保できるかどうかが最大の課題でした。

事前の問い合わせでは、関心の高さが伺えましたが、医師の安定確保が大きなネックになり、応募法人が2法人だったことで、医療を取り巻く環境の厳しさを今回の公募結果で、より一層痛感しました。

大学教授を委員長にして、計9名の委員からなる後継法人選定委員会で、2法人が実際に運営している総合病院も視察し、11回の選定会議の結果、社団法人地域医療振興協会を候補者に選び、9月25日に委員長から答申を受け、副管理者の市川市長と協議のうえ、最終決定したものです。

「(社)地域医療振興協会」といっても聞き慣れない法人ですが、この法人は昭和47年、栃木県下野市に設立された自治医科大学と表裏一体をなしており、昭和61年に自治医大の卒業生が中心となって設立された公益法人です。

法人の会長は、高久史麿氏で、自治医大の学長も兼任し、日本医学会の会長でもあります。

会員は、現在約1600名の医師で、約95%が自治医大の卒業生です。

「自治医科大学」とは、僻地などでの医師の養成と確保を主な目的として、専門医ではなく高度な臨床的な実力を持つ総合医を育成する大学として、全国47の都道府県が共同で設立した大学です。

都道府県ごとに選抜された学生は、全寮制で6年間学び、卒業しても9年間は出身都道府県の地域医療を担うことが義務づけられています。

(社)地域医療振興協会は、千葉県には初めての進出で、県内の地域医療の拠点としても大いに期待されています。

現在、横須賀市立うわまち病院をはじめ、全国に39の病院や診療所、老人保健施設を運営し、来年の4月には台東区立病院の運営を始めるとのことです。

協会の吉新通康理事長からは、「建設期間中は診療科目の削減などご不便をかけますが、新病院としての再開後は、循環器科と脳神経外科は東京女子医大、小児科は東京医科歯科大、産科と婦人科は東大などの協力を得て、市民の期待に十分応える質の高い医療を提供しますので、大いに期待してください。」との熱いメッセージをいただきました。

 

浦安市長 松崎秀樹
(広報うらやすNo.871 2008年11月1日号に掲載)

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