「障がい」について 2月6日の土曜日の夜、自宅でのちょっとした事故により、左足内ない膝しつの靱じん帯を損傷してしまいました。 痛さでしばらくのたうち回りましたが、骨折はしていないので冷やせば治まるのではと、安易に考えて床に就きました。 結局一睡もできず、夜明け前に市内の病院の救急外来にタクシーで駆けつけ、レントゲン撮影をしたところ、骨折はしていないが、靱帯を損傷しているとのこと、詳細はMRIで調べないとわからないとのことで、応急処置としての膝ひざ固定のサポーターと、松葉杖づえ姿で病院を出ました。 日曜日は、「東京ベイ浦安シティマラソン」のスターターの役を果たした後、姉妹都市締結の20周年イベントのために、松葉杖姿でオーランド市へ向かいました。訪米中、車いすの世話になるなど、まさに障がい者として行動せざるを得ませんでした。 たかが小さな靱帯一つと思っていましたが、痛みとともに行動が制限されることが、いかにつらいことかしみじみと実感しました。 ただ、私の場合は、必ず治ると言われ、一時的な障がいですが、障がいと面と向かって付き合い、無限の可能性を見せつけてくれた、冬季パラリンピックがバンクーバーで開かれ、先天性、後天性などさまざまな障がいを持った選手が、さまざまな感動のドラマを繰り広げてくれました。 オリンピックと違い、ほとんどの選手が国の援助もなく、自費での参加と伺いましたが、支えた家族・夫婦、仲間など、筆舌に尽くせぬ苦労と努力は、想像に余りあるものと思われます。 そんな折、市議会で障がい者の現況についての一般質問と、「福祉関連補助金についての特別委員会」の発議がありました。 一般質問の中で、現在の浦安の福祉政策が、障がい者を増やしているとの非難と指摘がありました。 実態は、障がい者手帳所持者を平成16年度末と平成20年度末の5年間を比べますと、人口比で0.49パーセント、946人増えていますが、人口も約9300人増えていますし、高齢化率も2.23パーセント増えて、高齢者の加齢による障がいで、障がい者手帳の申請者が増えているのも増加の要因の一つです。 なお、全国の障がい者手帳の所持者の割合は5.66パーセントですが、本市は2.26パーセントです。 私は、よしんば浦安市の福祉施策を求めて転入してきた市民がいたとしても、気持ちよく受け入れるだけの広い心が必要ではないかと思っています。
以前、高齢者への高福祉を求めて、転入者が増えると言われた江戸川区では、恩恵を手厚く受けた区民がその後、恩返しのためのボランティア活動が活発になったと聞いたことがあります。 私は、常々障がい者福祉は、高齢者福祉を包含していると思っています。高齢者の加齢に伴うさまざまな機能の後退は、障がい者福祉のセーフティーネットで十分に補完できると確信しています。 さらに、私が2度のスウェーデン視察で学んだことは、障がいが自分の責任でも、家族の責任でもないとしたら、地域社会で支え合うべきだと言うことです。 国民が政治を信頼しているスウェーデンの政治の根底に流れているのが「限りなき連帯感」の理念と聞きましたが、うらやましい限りです。
浦安市長 松崎秀樹 |