壮大な実験を終えて 1年と1カ月にわたる「壮大な実験」と言われた市民会議が幕を閉じ、9月29日に「提言書」をいただきました。 昨年の8月、206名の公募市民の皆さんと、公募した市の職員を中心にした市民会議を立ち上げ、延べ130回を超える会議を開き、審議や議論の末、6つの分科会から、360ページを超える提言書になりました。 昨年の6月の準備会議のなかで、副座長の明海大学の阪本一郎教授は「壮大な実験が始まる」とあいさつされました。 これは、一つには200名を超す市民の意見をうまくまとめられるのだろうかと言うことと、二つ目には、ほかの自治体での市民会議では、市民と行政側、あるいは市民同士の意見の対立で収拾がつかなくなったり、会議が終わった後も、感情的な対立が尾を引き、結果として成功しなかった事例も多く見受けられ、果たして浦安市ではどうなるのかといった心配でした。 今となっては、まったくの取り越し苦労でしたが、延べ130回を超える会議の平均出席率は70%近くで、座長の首都大学東京の大杉覚教授も浦安市民のレベルの高さとともに、自分たちの住む浦安市への関心の高さに感心しきりでした。 「提言報告会」では、限られた時間のなかでしたが、6つの分科会の代表が、それぞれの思いと提言を熱っぽく語られ、最後に大杉座長から、市長あての「提言書」を手渡されました。 厚い「提言書」の物理的な重さ以上に、無償の1年1カ月に及ぶ多くの市民の皆さんのご尽力と、市に寄せる熱い思いがぎっしりと詰まった「提言書」の重さをずっしりと感じました。 この「提言書」は、来年、平成20年度からの10年間の浦安市の方向付けを定める基本計画のためのものです。 私は、これからのまちづくりのキーワードは、「市民参加」と「協働」であると思っています。 今回の「提言書」でも、単に市への要望ではなく市民自らの、さらに言えば市民自らへの呼びかけにもなっています。 「提言書」の冒頭にも、「『市民と行政が協働するまちづくり10年』をぜひスタートさせたいと思います。」と明記されています。 「住みがいのあるまち」、「育てあうまち」、「学びあうまち」を目指して、さまざまな提言をいただいていますが、今度は行政側の力量が問われるとの思いで、基本計画の骨子案づくりに取り組んでいます。 ここに改めて、市民会議にご参加いただきました皆様にお礼を申し上げますとともに、「協働」のまちづくりに向けた「壮大な実験」が大成功に終わったことに心から感謝を申し上げます。 浦安市長 松崎秀樹 |